いつものようにあの音色が聴こえる。
その時、オレはふと思い立った。
どんな奴か見てみよう。
良かったら友達になってもらおう。
こんなやさしい音色を奏でる人間だ。
きっと悪い奴じゃない。
友達をつくるのが苦手なオレでもそう思った。
と、思ったのはいいが何をどうすればいいのかわからない。
隣の部屋に押しかけるなんて出来っこないし。
今すぐにというのはムリっぽいかも。
すぐにあきらめることにした。
だからオレはまたベッドに寝転び耳を澄ます。
そして考える。
この音色はどんな奴が奏でているのだろう。
曲名はなんだろう。
入学したら学校で会えるだろうか、と。
そして、また心地良い眠りにつくのだ。