青空と石

アスファルトににじんだ僕の影は、君だ。


どれくらい、こうしているだろう。


二つ並ぶはずの影は、今は一つ。
けれど僕の影は確かに、君だ。


入道雲は青空をゆっくりと流れていく。
サァッと吹く風が、緑の草を撫でる。


僕は小高い丘の上にあるアスファルトの道路に立ち、目をつぶる。


爽やかな夏の青空が僕の上に広がるのを感じる。


両手を広げてみれば、抱えきれないほどの風がその両手に包まれていく。


さぁ、そろそろ行こうか。


僕は、丘の下に見える、君が眠る場所を示す石に別れを告げると背を向けて歩きだす。
僕について、影も歩き出す。


爽やかで、どこまでも広がる青空を仰ぎ見て、僕は願う。



アスファルトににじんだ僕の影、どうか君であれ。


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